2021年1月28日、前ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が、東北楽天ゴールデンイーグルスへの電撃復帰を発表しました。
来年以降にメジャー復帰する可能性は残していますが、一旦はメジャーリーガーとしてのキャリアは区切りとなります。
そこでこの記事では、田中将大投手を象徴する「ガッツポーズ」に焦点を当て、その凄さ、カッコ良さを紹介します。
その中でも、今回は「メジャーリーグ時代」を対象に、「最高のガッツポーズ」を選んでみました。
それは、2017年のポストシーズンのリーグ優勝決定シリーズ第5戦のことです。5回表の大ピンチを、三振で切り抜けたシーンでそのガッツポーズがでました。
以下のツイッターの動画がそのシーンです。
ガッツポーズだけではなく、何度も雄叫びをあげて感情をあらわにしていることが分かりますね。
僕はこの試合を、DAZNの生中継で見ることができました。感情移入しすぎて、田中投手と同じようにガッツポーズしてしまいました。
それくらい気持ちが高ぶるシーンでした!
ちなみに、今でもそのシーンを見ると毎回鳥肌が立ちます。
この記事では、なぜ、このガッツポーズがメジャー時代最高のガッツポーズなのかをご紹介します。
こちらもカッコ良すぎで震えます!
でも、今回の記事では「メジャー時代の」ガッツポーズに絞って選びました!
田中将大のメジャー時代最高のガッツポーズはこれだ!カッコ良すぎるだろ!
まずは、そのガッツポーズのシーンを詳しく説明します。
それは、2017年の*ポストシーズンのリーグ優勝決定シリーズ第5戦のことです。
田中投手は、2-0で5回表の2アウト1,2塁の大ピンチを、スプリットで三振に打ち取ってガッツポーズします。
これが最高にカッコイイ!以下の動画がそのシーンです。
実はこのシーン、1アウト1,2塁からのピンチでした。そこからの連続三振だったからこそ、田中投手も気合いが入ったのでしょう。
5回裏 1アウト1,2塁から
・1番のスプリンガー選手(右打ち):アウトコースギリギリのストレートで見逃し三振
・2番のレディック選手(左打ち):アウトコースに逃げて落ちるスプリットで空振り三振
ガッツポーズしながらの雄叫びには本当にしびれます!
このピンチを切り抜けた田中投手は、7回まで無失点の好投で、ヤンキースを勝利に導きました。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
HOU | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 |
NYY | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | x | 5 | 10 | 1 |
次の項目から、なぜこのシーンがカッコイイのか、その理由を説明しますね。
田中将大のガッツポーズの裏にはアストロズへのリベンジ心
カッコイイ理由の1つ目は、対戦相手のアストロズが関係しています。
リーグ優勝優勝決定シリーズの「開幕投手」として先発した田中投手は、アストロズ戦で6回2失点で負け投手になってしまいます。
この時の悔しい思いがあったのでしょう。
また、シーズン中は好調不調が不安定だったため、ニューヨーク誌には「井川が登板した」とまで書かれてしまいます。
このように、この試合は「シーズン」と「ポストシーズン」の両方の悔しさをぶつけた登板だったはず。
だからこそ、その悔しさを力に変えて、気合いが入っていたのです。
さらにいうと、アストロズ打線が強力だったことも関係しているかもしれません。
打順 | 名前 | 打率 | 本塁打 | 打点 |
---|---|---|---|---|
1 (CH) | G.スプリンガー | 0.283 | 34 | 85 |
2 (RF) | J.レディック | 0.314 | 13 | 82 |
3 (2B) | J.アルトゥーベ | 0.346 | 24 | 81 |
4 (SS) | C.コレア | 0.315 | 24 | 84 |
5 (1B) | Y.グリエル | 0.299 | 18 | 75 |
6 (3B) | A.ブレグマン | 0.284 | 19 | 71 |
7 (DH) | C.ベルトラン | 0.231 | 14 | 51 |
8 (LF) | M.ゴンザレス | 0.303 | 23 | 90 |
9 (C) | B.マッキャン | 0.241 | 18 | 62 |
出典:BASEBALL REFERENCE
3割超えが4人もいます。特に1番のスプリンガー選手と3番のアルトゥーベ選手は、打ち始めたら止まらない素晴らしい打者でした。
こんな最強打線に立ち向かう田中投手は燃えに燃えたのでしょう。
「ライバルが強ければ強いほど燃える」という田中投手の真骨頂が見えた試合だといえます。
ちなみに、この年のアストロズはワールドシリーズに勝ち進み、ドジャースに勝利して優勝しました。それくらい強かったのです。
感情を出さない田中将大だからこそ迫力がある「吠えながらのガッツポーズ」
カッコイイ理由の2つ目は、感情をあまり出さない田中将大投手だからこその「ガッツポーズ」だからです。
ニューヨークメディアにおいても、普段感情を出さない田中投手が「吠えた」ことが印象的と報じています。
On top of that, this was one of the few times the usually ice-cold Tanaka visibly showed emotion on the mound. He roared after each clutch out.
出典:ELITE SPORTS NY Josh Benjamin『Masahiro Tanaka’s 5 key New York Yankees moments』
これは通常氷のように冷たい(表情の)田中が、マウンドで目に見えて感情を示した数少ない回数の1つだったた。彼は大事なアウトをとるたびに咆哮した。
田中投手といえば楽天時代の「ガッツポーズ」など、メディアではよくとりあげられています。
でも、普段のピッチングは冷静そのものです。常に冷静にやるべきことをやっています。ニューヨークメディアも、田中投手を「安定している」「冷静だ」と度々報じています。
また、田中投手は同僚のセベリーノ投手から「どうすれば冷静に投球できるかのか」とアドバイスを求められました。
田中投手は「思い出すべき言葉を帽子の裏に書いてそれを見る」と答えたそうです。
そのため、セベリーノ投手は、「冷静、落ち着き」というスペイン語の意味を込めて「PACIENCIA(パシエンセ)」と帽子の裏に書きました。その結果、セベリーノ投手は2018年に19勝も挙げました。
このように、周りから「冷静に」「落ち着いて」投球できる投手と思われていることが分かります。
一般的に、普段から怒らない人が怒ると余計に怖く感じます。
これと同じように、普段から冷静な人が感情が出すと、余計に目立ちますし、よりその感情が伝わります。
「滅多に見せない気合いの入れたガッツポーズ」。だからこそ、このガッツポーズはカッコイイと思えます。
メジャーのポストシーズンの重さは日本シリーズとはわけが違う
カッコイイ理由の3つ目は、メジャーリーグのプレーオフの試合の方が、日本シリーズよりも重みが大きいからです。
「重要度が高く」「緊張感のある」プレーオフの試合でのガッツポーズだからこそ、よりその「カッコ良さ」が際立ちます。
これは例えば高校野球において、地方大会の1回戦でのガッツポーズよりも、地方大会の「決勝戦」での試合の方がカッコ良く見えるようなものです。
ワールドシリーズへつながるポストシーズンの試合は「ガチンコ」の世界
メジャーリーグのプレーオフで勝ち上がると「ワールドシリーズ」が開催されます。これは文字通り「世界一」を決める大会という意味になります。
つまり、メジャーリーガー関係者の多くは、「オリンピック」や「WBC」は本当の意味で世界一を決める大会だと思っていません。
あくまで「メジャーリーグこそが世界で1番レベルが高い野球リーグであり、その中で1番になったチームが”世界一である”」という価値観ということです。
だからこそ、「ワールドシリーズ」こそが世界一決定戦であり、そこにつながる「ポストシーズンの試合」はどれもとても重要です。
一方で日本シリーズの場合は、あくまで「日本のプロ野球の1番を決めるシリーズ」です。もちろん、日本シリーズも大事な試合ですが、メジャーリーグの場合は「オリンピックやWBCよりも大事なシリーズ」という位置付けです。
このような経緯から、メジャーリーグのポストシーズンでの成績が、選手やフロントスタッフの「給料(年俸)」に大きく関わります。
ポストシーズンで勝つために「雇われた」のが田中将大
ヤンキースは2009年に松井秀喜選手がMVPとしてワールドチャンピオンになって以来、世界一になれていません。
だからこそヤンキースは、2014年に7年の大型契約で田中投手と契約したのです。
それは、ポストシーズンのプレーオフで勝ち抜くために、「勝負強い」と言われる田中投手を「雇った」ともいえます。
そのため、ポストシーズンに登板する「田中投手」には相当のプレッシャーがあったはずです。
しかし、田中投手はそのプレッシャーを力に変えて、素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。
このようなことから、このガッツポーズがカッコイイ理由として
「プレッシャーのかかるポストシーズンでのものだから」
とお伝えしました。
参考:田中投手はポストシーズンのプレーオフに強いことから、”Big game pitcher”(ビッグゲームに強い投手)と称されてきました。これほど彼にとって名誉なことはないでしょう。
球場(ヤンキースタジアム)のボルテージが最高
カッコイイ理由の4つ目は、ヤンキースタジアムの最高のボルテージの中でのガッツポーズであることです。
ヤンキースファンは厳しいことで有名です。結果が悪いと容赦なくブーイングを浴びせます。このような世界一厳しい面をもつ一方で、活躍すれば大いに称賛されます。
それがこのシーンでもよくわかるでしょう。
まずピンチでスプリンガーを見逃し三振で大盛り上がり!次のレディック選手では立ち上がって「拍手」をし始めます。2ストライクになったらファンはもう大興奮。
「三振をとってくれ!!」という思いをこめて、立ちながらの拍手で盛り上げます。
そして田中投手は期待通りの「空振り三振」を奪います。もうファンは歓喜のガッツポーズです。
つまり、田中投手の「気合いの入ったガッツポーズ」は、ヤンキースファンの想いが体現したものともいえるでしょう。
このことから、ヤンキースファンとヤンキーススタジアムが一体となった上でのガッツポーズだからこそ、カッコイイと思えるのです。
なお、この時の田中投手のガッツポーズは、ヤンキース公式ツイッターの画像にも載っています。
感謝を示すツイートに載っているということは、ヤンキースとしても印象に残っているということでしょう。
Thank you for everything, @t_masahiro18 💙 pic.twitter.com/TAW1LNAqFc
— New York Yankees (@Yankees) January 28, 2021
【おまけ】2番目にカッコイイガッツポーズは”救世主”田中が生まれたインディアンス戦
ちなみに、2番目にカッコイイと思えるガッツポーズは、同2017年のポストシーズンのインディアンス戦です。
ア・リーグ地区シリーズでインディアンスと対戦したヤンキースは、インディアンスに2連敗していました。3勝すれば勝ち抜けのシリーズの中、ヤンキース田中投手が3戦目に登板したのです。
しかも、当時のヤンキースのジラルディ監督は「負ければ責任をとって辞任、またはクビ」が予想されていました。このような「チーム、監督ともに崖っぷち」状態だったのです。
そんな中、田中投手は7回無失点の完璧なピッチングで勝利に導きます。その結果、ヤンキースとジラルディ監督をつなぎ止める「救世主」となったのです。
肝心の「ガッツポーズ」はというと、4回表の2アウト3塁のシーン。0-0で迎えており、絶対に先制点を上げたくない場面です。
打者は強打者のラミレス選手です。バットにボールが当たるとエラーや内野安打も可能性がある中で、どうしても「三振」が欲しいところ。
2ストライクと追い込むとヤンキースファンはもう総立ちです。そして注文通りのスプリッドで空振り三振を奪います。奪った後の田中投手は雄叫びを上げ、センター方向を振り返ります。
気迫あふれる大興奮のガッツポーズです。
なお、カッコイイのはガッツポーズだけではありません。試合後の田中投手は以下のように、ポストシーズンで勝つためにメジャーリーグ(ヤンキース)にきたと語っています。
Probably the biggest win that I have gotten since I came here.
I came here to pitch in these types of games and to be able to help the team win in these types of games.こういうゲームを投げて、勝つために僕はここに来たと思っている。こっちに来てから一番大きな勝利だったんじゃないかなと思っています。
The washington Post by Adam Kilgore『Yankees force Game 4 vs. Indians after Masahiro Tanaka outduels Carlos Carrasco』
カッコ良すぎて泣けてきます
【まとめ】2017年のポストシーズンはまさに「神の子」的活躍だった!ガッツポーズも最高
この記事では、田中将大投手のヤンキース時代の最高のガッツポーズを紹介しました。
そのシーンは2017年のアストロズ戦で、5回裏 1アウト1,2塁から連続三振を奪ったシーンです。雄叫びをあげながら吠える田中投手のシーンは、ヤンキースファンではお馴染みのガッツポーズになっています。
「最高」のガッツポーズである理由として以下の4つを紹介しました。
- アストロズへのリベンジ心があった
- 普段は冷静で感情を出さないこそ迫力がある
- メジャーのポストシーズンの重さは日本シリーズとはわけが違う
- 球場(ヤンキースタジアム)のボルテージが最高
世界一プレッシャーのかかるポストシーズンで、極度の緊張感の中でのガッツポーズは、本当にカッコイイものだと思います。
2017年のプレーオフでは、崖っぷちから救うピッチングをするなど、まさに「神の子」といえるような活躍でした。
2021年シーズンは日本の楽天でプレーしますが、メジャー時代の活躍とガッツポーズは色あせることはありません。
今後も田中投手のガッツポーズを楽しみにしたいと思います。
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