映画「もしドラ」を見ると「ダイヤのA」と本物の高校野球を見たくなる理由

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コロナウィルスの影響もあり、4月になっても野球がない毎日にモヤモヤしています。

いわゆる、野球ロスです。

そこで少しでも野球にふれたいと思い、野球映画を探すことにしました。そこで見つけたのが、

岩崎夏美著「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」

の映画版です。

世間では「もしドラ」と呼ばれています。

もしドラのストーリーは、

弱小高校のマネージャーが経営学の父・ドラッカーの名著『マネジメント』に不思議と感動し、そこに書かれている教えを野球部の中で実践していく

というものです。

もともとはベストセラー小説ですが、今回はその実写映画版を見ました。

実際に見てみると、猛烈に

漫画「ダイヤのA(エース)」

本物の高校野球

を見たくなりました。

この記事では、なぜそう思ったのかをお伝えします。

もしドラとはー映画の概要(ネタバレなし)ー

ネタバレなしの映画概要

まずはネタバレなしの映画の概要を紹介します。

公立高校野球部のマネージャーとなったみなみは、ふとしたことでドラッカーの経営書『マネジメント』に出会います。

はじめは難しさに戸惑うのですが、野球部を強くするのにドラッカーが役立つことに気付きます。

みなみと親友の夕紀、そして野球部の仲間たちが、ドラッカーの教えをもとに力を合わせて甲子園を目指す物語です。

映画では、

  • みなみ役・・・前田敦子さん
  • 親友の夕紀・・・峯岸みなみさん

とAKBのお二人が熱演されていました。

ドラッカーは「マネジメント」を発明した凄い人!

ここでは「マネジメント」という本、その著者であるドラッカーがどれくらい凄いかに触れておきます。

ドラッカーはオーストリアのウィーンで生まれた経営学者です(1909- 2005)。

「マネジメントを発明した男」といわれ、現代経営学の父とも呼ばれています。

企業経営や組織のあり方についての多くの著作を残し、世界中の経営者や実業家に多大な影響を与えました。

例えば、ユニクロの柳井会長やセブン&アイの伊藤名誉会長もファンであることで知られています。

今までは「マネジメント」という概念は当たり前になっていますが、それを発明したのですから凄いとしか言いようがありません。また、分権化、民営化、知識労働者などの言葉も発明しています。

何よりも凄いのは本質を突いた視点や言葉の数々です。

例えば、

企業の目的の定義は「顧客を創造すること」である

などがまさにそうです。

その中でも、書籍「マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則 」は日本でもベストセラーになり、「もしドラ」の元ネタとしても有名です。

映画では、主人公のみなみがドラッカーの思想にふれて感動し、それを応用していく姿が描かれていますが、みなみがバイブルとするのも納得ですね。

高校野球はこんなに甘くないー感想(ネタバレあり)ー

ここからはネタバレありの感想です。

まず1番に思ったこと。それは

高校野球はこんなに甘くない!!!

ということです。

映画ということで、あり得ない展開もよくあるエンタメとして見てましたが、それでもちょっと違うな〜と思ってしまいました。 

映画では、マネージャーのみなみがドラッカーの教えを実行に移しながら、見事に1年で弱小チームを甲子園に導きますネタバレ

しかし、現実の高校野球はもっと残酷です。マネジメントだけで勝てるチームはほとんどありません。

一方でメジャーリーグは違います。

メジャーで監督は「マネージャー」と呼ばれ、揃った戦略の中でどう戦うかという「マネジメント」が求められます。

選手を獲得したりする役割は、GMなどのフロント(上層部)のスタッフが担当しますから、この意味でのマネージャーは、ある程度選手が揃っていることが大前提です。

ところが、高野野球の場合はそこが違っています。高校野球はお金を出すことで選手を獲得できるわけではありません。

もちろん、スカウト活動は意味を成すと思いますが、基本は今ある戦力で戦う必要があるのです。

また、上手い選手が揃っていたとしても発展途上ですから、試合で采配をふるうだけのマネージャーだけでは勝てるはずもありません。

そして、今回の映画ではあまりにも選手のレベルが低すぎます。

映画の選手の演技(プレー)が下手ということではなく、まじめに練習せずに試合ではエラー連発してしまうチームとして描かれているからです。

ここから1年で立て直して甲子園にいく方法が万が一あるとしたら、「マネージャー」だけではなく、根本から何かを変える「強烈なリーダー」が必要ではないでしょうか。

例えばiPhoneを開発したスティーブ・ジョブズ氏は、強烈なリーダーで有名でした。

ただ、ここで言う「強烈なリーダー」は役割のことを指します。

ですから、この「強烈なリーダー」は「監督」だけではなく、「キャプテン」や「マネージャー」がその役割を担っても、「強烈なリーダー」だと言えるでしょう。

しかし、映画の中には「強烈なリーダー」は見当たりませんでした。

以上のようなことから、この映画を見て

高校野球で甲子園に行くには簡単ではないんだよな。。。

と思ってしまいました。

ドラッカーの教え「真摯さ」は高校球児はほとんど持っている

映画の中で、みなみはドラッカーから様々なことを学びます。

例えば真摯さです。

この言葉は本の中で最も多く使われており、「誠実さ、高潔」を意味します。一般には一生懸命さともとれるでしょう。

映画では信念を貫いていくことであったり、「逃げない」ことの象徴のように使われている印象でした。

しかし、この「真摯さ=一生懸命さ、逃げないこと」に関しては、どの高校球児やチームも既にやっていることなのではないでしょうか。

映画の中のチームができていなかっただけで、それができるようになったところで他チームとの差別化にはなりえません。

高校球児のほとんどは、「本気で」「真摯に」野球をしているのですから。

本気で変わるにはイノベーション(革新)でなく、レボリューション(革命)くらいの変化が必要

その他にみなみが学んだことに、「イノベーション」があります。常識を疑い、本当にそうだろうかと考えることで、斬新なアイデアが生まれるとのことです。

例えば、映画の中では「ノーバント、ノーボール作戦」をとっています。攻撃面ではバントをせず、守備面ではボール球を投げずにどんどん打たせていくという戦略です。

確かに、これは当時実行したとしたら革新的であり、イノベーションだったことでしょう。

しかし、それだけで勝てるほど甘くないはずです。

勝ち上がるに連れて投手のレベルもあがりますし、何よりもこの映画のチームは真面目に練習もしない弱小チームだったのですから。

強豪校を倒したとしても、小手先の作戦では甲子園には行ける確率は低いでしょう。

このように、1年でチームを変えるには革新を意味する「イノベーション」では弱すぎて、革命を意味する「レボリューション」くらいのインパクトが必要でしょう。

現実はレボリューションがあっても時間がかかるー県岐阜商の鍛治舎監督の鬼革命の例ー

実際に、その「レボリューション」を起こすことは簡単ではありません。

しかし、県岐阜商業高校の鍛治舎(かじしゃ)巧監督はそれを実行できるひとりです。

鍛治舎監督は岐阜県の県岐阜商業高校を率いて、2020年春のセンバツ甲子園へ導きました。2015年春以来5年ぶりです。

(*2020年春のセンバツはコロナウイルスの影響で中止となりました。)

その裏には、練習方法から選手への意識付けにいたるまでのあらゆることを変えた、鬼の鍛治舎監督の改革があったのです。

秀岳館高校時代の改革

鍛治舎監督は今の県岐阜商の監督の前に、熊本・秀岳館高校での監督として何度も甲子園に導いています。

  • 2016春のセンバツ甲子園 ベスト4
  • 2016夏の甲子園     ベスト4
  • 2017春のセンバツ甲子園 ベスト4
  • 2017夏の甲子園     2回戦

このように、甲子園でも素晴らしい成績をあげている監督です。

下記は秀岳館高校時代のドキュメンタリー動画です。

密着ドキュメント 秀学館 鍛治舎監督 高校野球最後の夏 元パナソニック専務

この動画では、次のような改革がなされたと紹介されています。

1. 投手起用は継投策

投手温存のため、いくら大差があっても継投する方針でした。

「大会で一人の投手が600球も投げるのは、その投手の将来を思ったら避けたほうがいい」という考えからきているそうです(この発言の出典はWikipedia)。

2. 1日最低1200スイング

1日1200スイングを課しています。

強豪校であれば当たり前かもしれませんが、それでも圧倒的な練習量です

3. 数値化で自分比較

他人比較はやめ、自分比較させてモチベーションアップとスキルアップを狙いました。

日々の成果を数値化したのです。これにより、小さな成功体験を積むことができるそう。

例えば、ロングティーでの飛距離をポイント化する、食事や筋トレも数値化してそれを目標にするなどが挙げられています。

おまけー動画中で出てきた鍛治舎監督の名言ー

ここで、動画の中で鍛治舎監督が言っていた名言を紹介します。

もうちょっとで頂点が見えてくるんや。

仕上げろチームを、自分を!

動画の中では、鍛治舎監督が怒鳴るシーンもあり、とても怖い印象ですが、この言葉からも熱い監督だということが伝わってきますね。

また、これは夏の大会へ向けての言葉だと思いますが、ものすごく選手に響く言葉だと思います。

県岐阜商高校時代の改革

続いて、現在の県岐阜商高を甲子園に導いた改革を紹介します。

1. 練習の質と量のレベルアップ

公立高校である県岐阜商では、平日の練習時間は私立高校の約半分の4時間です。

その中でも、ウォーミングアップに1時間以上を割き、ウエートトレーニングにも力を入れるなど、フィジカルトレーニングに注力しました。フリー打撃も3カ所から5カ所に増やすなど効率化にも努めています。

それらすべてを数値化して目標を設定し、選手のモチベーションアップとスキルアップに繋げています。これは秀岳館高校時代と同じですね。

また、平日朝も練習時間とし、春のセンバツに向けては年末年始に宮崎合宿を行うなど、練習の質と量を大幅に向上させました。

2. 練習試合で全国レベルの強豪校と対戦

練習試合の相手を強豪校に変えました。全国レベルを体感しないと、全国で勝つための課題が見つからないとの理由です。

今まで練習試合で対戦が少なかった中京大中京高や大阪桐蔭高、報徳学園高など多くの全国クラスの高校と練習試合を組みました。

3. 95年続いた伝統のユニフォームの新デザインに変更

1924年の創部から95年続いた伝統あるユニフォームを思いきって新調しました。

批判や反対の声もあったと言いますが、気分を一新するためにユニフォームを変える方法はは、大学野球や社会人野球でも取り入れられている手法です。

また、鍛治舎監督が意識したのは「ルック(見た目)&フィール(操作性)」を主眼に置いたことです。アップル社のスティーブ・ジョブズ氏や、マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏もこの手法を自社製品に取り入れたそうです。

4.積極的なスカウト・部員確保

県岐阜商高はこれまで「スカウト活動」をしていませんでした。

しかし、鍛治舎監督の就任以降は積極的に部員確保に動きます。週末はコーチらを各試合会場などに派遣し、軟式、硬式チームへのアプローチを強化しました。

県岐阜商高は公立高校であり、私立高校のようなスポーツ推薦制度が多くあるわけではないからこそ、スカウト活動をしないと優秀な選手が他の高校に流出してみますのでしょう。

以上のこのことからも、鍛治舎監督は改革を起こし続ける「強烈なリーダー」だということが分かるでしょう。

鬼の鍛治舎監督でも甲子園には時間がかかる

このような鍛治舎監督の「改革=レボリューション」があってさえも、甲子園出場までは時間がかかります。

前任の秀岳館高校の時には、2年かかりました。

現在の県岐阜商高校の時には、3年かかりました。

それほど高校野球は厳しい世界なのです。

*残念ながら、コロナの影響でセンバツの出場予定が白紙になってしまいました。鍛治舎監督・県岐阜商ナインは相当悔しいと思います。

漫画ダイヤのAと本物の高校野球を見たくなった!

このようなことから、映画「もしドラ」を見たら「野球はこんなに甘くねえぞ!!!」という気持ちになり、「もっとシビアに本気で野球をやっている姿」を見たくなりました。

しかし、コロナウイルスの影響により、今は野球を見られる場がありません。

そこで例えば、漫画になりますが

ダイヤのA

は、その刺激にもってこいだと思いました。

ダイヤのAの特徴・おもしろさは、よくある弱小高校(ドカベンや巨人の星、メジャーなど)からの成り上がりではないことです。

主人公のサウスポー・沢村栄純は、強豪校である「青道高校」で揉まれていきます。しかし、そこはもともと強い強豪校ですから、全国から人を集めてきたずば抜けた選手が集まる世界。

「圧倒的な競争環境が描かれている」出典:ダイヤのA act2 183話より

ですから、レギュラー争いの競争も激しいですし、

  • 選手も監督も厳しさがハンパない
  • 練習も試合も厳しさがハンパない
  • 期待も批判もハンパない

わけです。

「とことん追い込む合宿」出典:ダイヤのA act2 134話より

そんな厳しい世界だからこそ、主人公の沢村栄純やその仲間が必死にもがく姿にリアリティがあり、そこがおもしろいポイントだと思います。

例えば、レギュラーからこぼれ、ベンチに入れない人たちも描かれます。

「ベンチに入れない残酷さ」「出典:ダイヤのA act2 133話より
出典:ダイヤのA act2 133話より

このように、厳しい世界が描かれるゆえ、本気で高校野球に取り組むことへの「真摯さ」に胸打たれるわけです。

彼らの姿からは、高校野球というよりも「野球」への愛おしさが感じられるのです。

上手くなりたい!!!

勝ちたい!!!

監督と甲子園で闘いたい!!!

こんな思いが私たち読者に伝わるからこそ、目を背けたくなるような厳しい練習や残酷な結果でさえも、私たち読者は目を奪われるのでしょう。

このような熱い漫画だからこそ、読むことで、高校野球の世界に心躍らせることができると思います。

*ダイヤのAはアニメ版もあるので、それを見ても良いと思います。下記の動画配信サービスU-NEXTは、ダイヤのAのシーズン1,シーズン2,actIIが見放題です。

31日間無料トライアルができるため、休み中に一気にみてしまうのもありですね。

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なぜ現実を見たくなったのか

最後に、なぜこのような「現実的な野球」を見たくなったのか考えてみたいと思います。

よくよく考えると、私が高校野球経験者だからこそ、その本気の臨場感を味わいたいからだと思います。

漫画「ダイヤのA」では厳しい競争社会が描かれていますが、「ずば抜けた能力を持つやつら」が、文字通り「死ぬ気で」練習しています。

現実の世界では、鍛治舎監督をはじめ、高校野球で甲子園を目指す人も同様に「死ぬ気」で闘っています。それらは本当にしんどいことです。

そのしんどさは練習のキツさもさることながら、実力社会のキツさです。

しかし、その生きる死ぬか、勝つか負けるかの状況の中でこそ見出せるおもしろさ・学べることがあります。

ですが、今回の映画「もしドラ」はその世界と対称の世界でした。

確かに、この映画を通して、常識を疑ってイノベーションをしたり、正しく「マネジメント」することは重要だなと感じました。

元ネタである小説「もしドラ」は、いわゆるエンターテインメントであり、マネジメントの重要性を説くための小説でした。そのため、この映画ではその役割を果たしていと言えるでしょう。

しかし、映画「もしドラ」では、あまりに甘く高校野球が描かれていました。

野球に飢えている状態の私が見ると、「もっと本物の厳しい世界で必死に闘う姿を見たい」と思わせるのでした。

以上のような背景から、

漫画「ダイヤのA」と本物の高校野球を見たくなったのです。

「ダイヤのA」

「ダイヤのA」の漫画セットです。

下記はアニメ「ダイヤのA」を見ることができる主な動画配信サービスです。

サービス月額(税抜)無料トライアル
U-NEXT1,990円〇 31日間
Hulu933円〇 2週間
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2020/4/30時点

U-NEXT、Hulu、dTVの3サービスいずれもファーストシーズン、セカンドシーズン、actIIまで見放題で配信されています。

U-NEXTは無料期間も長くてオススメです。

オススメの野球漫画・アニメ

その他のオススメの漫画・映画・アニメです。

ダイヤのAとは違う楽しさが味わえると思います。

P.S AKBが好きなら見てもいい映画かも

野球を見たいのではなく、AKBのあっちゃん(前田敦子さん)と峯岸みなみさんを見たいのであれば、充分に楽しめる映画だと思います。彼女たちのシーンが多くあり、熱演してます。

また、部員役もカッコイイ俳優さんが演じています。

浅野慶一郎 役・・・瀬戸康史さん 

柏木次郎 役・・・池松壮亮さん 

先生役の大泉洋さんもいいキャラしてました。

気晴らしに見る気持ちで見ると楽しめると思います。また、これを機に小説の「もしドラ」を読むことで新しい発見があるかもしれません。

また、本物のドラッカー本「マネジメント」を見る前にこの映画を見ることで、良い準備になると思います。

ドラッカーについて詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になるかもしれません。少し堅い記事です。↓↓↓

これだけは知っておきたい “ドラッカーのマネジメント論”

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参考文献

週刊ベースボール「県岐阜商高をセンバツ有力に導いた鍛治舎監督の4つの変革とは?

Sportiva「県岐商・鍛治舎監督は猛反対も改革断行。新ユニフォームに思いを込めた

日刊スポーツ「県岐阜商・鍛治舎監督『むちゃしない』日本一へ自信

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