日米を通して活躍した上原投手の功績は、素晴らしいものがあります。
実際に私も下記の記事にしました。
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しかし、上原選手の凄いところは、その成績もさることながら、人柄や振る舞いが人を魅了するということです。
今回はそんな上原投手の人柄が表れたであろうシーン・エピソードで打線を組んでみました。
上原投手、長年お疲れ様でした!雑草魂よ、ありがとう!
1番(二)登場曲にsand stormを選曲、マウンドまでカッコよすぎる登場
一般に、本拠地で選手が登場する時には登場曲が流れます。上原投手の場合は”Sandstorm”という曲で、”Darude”というアーティストの曲になります。
この曲は誰しも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
そんな登場曲で登場する上原投手でしたが、一番盛り上がったのはレッドソックス時代に抑え投手として登場する時でしょう。特にポストシーズンでの登場は鳥肌ものです。
本拠地のフェンフェイパークのほとんどがレッドソックスファンで埋め尽くされ、そのほとんど全員が曲に合わせて手拍子して盛り上げているのです。そんな中で颯爽と登場する上原投手は本当にカッコいい!!!
日本の抑え投手の登場曲では、横浜DeNAベイスターズの山崎康晃投手のヤスアキジャンプが有名ですが、迫力は上原投手のSandstormの方があるような気がします。
2番(左)浪人した19歳の時の悔しさを忘れないために背番号を19にしている
上原投手は、高校卒業後に1年間を浪人生として過ごしてから大学に入学しています。
その大学で上原投手は大活躍するわけですが、浪人生の1年間は本当に辛かったそうです。
そしてその時の上原投手の年齢は19歳。同級生がプロ野球や大学で活躍する中で、その当時の「悔しさ、苦しさ」を忘れないために、彼は背番号を19にしたそうです。
とても熱いエピソードですね。
3番(一) 涙のペタジーニ敬遠
ヤクルトのペタジーニ選手を敬遠したエピソードです。
この時上原投手は涙を流しながら敬遠しました。さらには敬遠した後にマウンドを蹴り上げて怒りも露わにしています。
このシーンは今も語り草となっています。
4番(中) ワールドシリーズで胴上げ投手となり、空に指を掲げた瞬間(2013)
レッドソックス時代、抑え投手としてワールドシリーズの胴上げ投手になります。
その時に「空に指を掲げる」のですが、それがなんとカッコイイことか!
「空に指を掲げる」行為は日本人特有のなのか、他の選手があまりやらない中で、目立っていますね。
それにしても、ワールドシリーズの胴上げ投手なんて凄すぎます!
なぜなら、まず第一にそもそもワールドシリーズに行くことが難しいですし、第二にそこで優勝できることも大変です。そして、ワールドシリーズで優勝するような最強のチームで抑え投手になるなんで、難易度Maxです。
このような偉業を達成する日本人投手は、そうそうでてこないでしょう。
5番(捕) 球界のご意見番の張本さんにも容赦なく「喝!」
球界のご意見番である張本さんに対しても、屈することなく自分の意見が言えるのが上原投手の凄いところです。
張本さんといえば、TBSの番組「サンデーモーニング」のスポーツコーナー「週刊 御意見番」でコメンテーターとしてレギュラーとして出演しています。
そこでは様々なプレーに対して「あっぱれ」や「喝」をいれています。特にメジャーに対しては厳しく、散々「喝」をいれてきました。
そんな中、張本さんに対しての「喝」はなかなかありません。張本さんは大御所ですから、彼に対してモノを言える人はあまりいないのです。
しかし、上原投手は臆することなく張本さんに「喝」をいれていました。例えば、、、
2012年12月26日「メジャーに行っている選手を代表して張本さんに喝!」
2013年12月29日「金田(正一)さん、張本さんに喝!」。「アメリカに対しての喝、落ちる球を投げていれば打てないという意見に喝!ですね。大御所ですけど、僕らだって考えて投げていますから」
2014年は12月21日「張本さんに喝!」。この日、張本さんは名球会の行事でハワイ滞在中のため番組を欠席。これに対しての喝だそうです。
2015年12月27日「僕が一番『喝!』を入れたいのは張本さん。アメリカの野球をちょっと嫌い過ぎます。もうちょっと好きになって欲しいです。張本さんに喝!」。
2018年12月30日「メジャーのことを全然しゃべらない。喝!。」この日の番組では西武からメジャーリーグ移籍を目指す菊池雄星投手をとりあげましたが、張本さんは興味を示さず。これに対しての喝だそうです。
6番(DH)日米野球で全盛期のバリー・ボンズから3打席連続三振
2002年の日米野球で、上原投手は全盛期のバリーボンズ選手と対戦します。
バリーボンズはメジャー歴代1位の「通算762本塁打」を放った、最強のホームランバッターです。当時のメジャーのシーズンでも、「打率.370、47本塁打、110打点」と大活躍でした。
そしてその最強さゆえ、ボンズ選手は「満塁で敬遠四球」という前代未聞の逸話を残しているほど、相手に恐れらているバッターでした。
そんなボンズ選手に対して、上原投手は「3打席連続空振り三振」と圧倒したのです。しかも、ボンズ選手は滅多に三振しない選手でしたら、より強烈なシーンでした。
これは特筆すべきエピソードです。なぜなら、全盛期のボンズ選手を完璧に抑えたことで、メジャーリーグのスカウトの評価が跳ね上がったことが、容易に想像できるからです。
実際に、ボンズ選手を打ちとった「スプリット(フォーク)」は、その後のメジャーでの伝家の宝刀として、有効に機能しました。
つまり、ボンズ選手を完璧に抑えたことは、まぐれではなく、完全な実力だったということです。本当に凄すぎます!
7番 (三)イチローと初対戦 @オールスター(1998)
上原投手が新人だった1998年のオールスターで、当時オリックスのイチロー選手と初対決しました。
当時はセ・リーグとパ・リーグの交流戦はなかったので、これが初対戦だったのです。
結果はイチロー選手がバックスクリーンにホームラン!
この対戦はイチロー選手に軍配があがりましたが、当時新人で勝ちまくっていた上原投手がイチロー選手に対峙した時は鳥肌が立ちました。まさにスター同士の対決って感じです。
僕は当時、生でテレビで見ていたので大興奮でした!
こちらのホームランを打たれた投手は、自身のYoutubeで「後悔している」と語っています。
8番(右)相手がビックリするほどの力強いハイ・ファイブ(ハイタッチ)
メジャー時代の上原投手のハイファイブは強烈でした!
ハイファイブとは日本人語で言うと「ハイタッチ」のことです。
上原投手は、中継ぎで抑えた後にチームメイトに強烈な「ハイファイブ」をすることで有名です。
これは、チームを鼓舞することに繋げるためでしょう。
確かに映像を見ると、チーム全体のモチベーションが上がっているように見えます。
これらのハイファイブが有名になり、「上原=ハイファイブ」というイメージがメジャーではついていたようです。
9番(遊)高校時代は控え選手、無名から這い上がる雑草魂
上原投手は高校時代に控え投手でした。というのも、当時のエースは日本ハムなどで活躍した建山投手だったのです。そのため、高校時代は目立った活躍もなく終わってしまいます。
また、大学受験で失敗してしまい、1年間の浪人生活を強いられます。そこで勉強しつつ、アルバイトもして、やっと大学に入学したのです。その大学は大阪体育大学でした。
そこで花開いた上原投手は大活躍。プロ入り後は高校時代の同級生で当時エースだった建山投手を超える活躍をしました。
まさに「雑草魂」で這い上がったのです。
また、引退会見にてテンポがいい理由を問われた上原投手は、
高校・大学とバッティングピッチャーをやってきたからじゃないですかね。
上原投手 引退会見より
と答えました。
一般に、バッティングピッチャーはエースと呼ばれる人はあまりやりません。むしろ控え投手や野手が行う場合がほとんどです。
しかし上原投手はバッティングピッチャーをよくやっていたということですから、いかに控え・バックアップとしての経験を積んできたかが分かります。
芽がでない時期から耐えてきたのですね
先発:レッドソックス移籍秘話「温水便座トイレ」と「セイバーメトリクス」
上原投手は2013点年にレッドソックスに移籍していますが、その理由が衝撃的です。理由は2つだそうです。
その理由の1つ目が
自分を最も必要としてくれている球団だと感じたこと
です。これはよくある理由ですね。
しかし、もう一つの理由が笑えます。それは、
クラブハウスに温水洗浄便座があること
という理由です。確かに温水便座のトイレがあった方が嬉しいでしょうが、移籍の理由に挙げるとはさすがです。
もちろん、冗談で言っていると思いますが、半分くらいは本気ではないかと思います。
というのも、上原投手が移籍したレッドソックスの本拠地はボストンで、夏以外はとても寒くなることが多い地域だからです。
一方で、レッドソックスの球団側が上原投手を獲得した理由は割とガチです。
前年度地区最下位だったレッドソックスは補強を考えましたが、当時GMのベン・チェリントン氏は上原投手をどうしても欲しいと思えませんでした。
しかし、セイバーメトリクスがこの方針を変えさせます。データに精通したスタッフと共に、当時アドバイザーであったビル・ジェームズ氏が上原投手のデータを分析したのです。
ビル・ジェームス氏は言わずと知れたセイバーメトリクスの生みの親とも言うべき人です。
セイバーメトリクスや映画「マネーボール」があるのも、ビル・ジェームス氏がいたからこそでしょう。そんなビル氏は、統計的な手法に長けている人物で、上原投手の与四死球の少なさなどを分析したのでしょう。
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これらの分析結果をもとに、ビル・ジェームス氏らはGMに獲得するように働きかけました。
その結果、GMは急遽上原投手の獲得に動いたといいます。
契約後の上原投手はというと、ご存知の通りワールドシリーズで胴上げ投手になるなど大活躍します。
これらのことから、上原投手との契約は「レッドソックスは奇跡を捕まえた」と呼ばれるようになりました。
中継ぎ:イチロー「苦労とか見せたいやついる?上原と野村さん以外いないでしょ」
この発言は、上原選手ではなく、イチロー選手が言った内容です。
ですが、上原投手を表す特徴的なエピソードだと思い、「中継ぎ」としてピックアップしました。
イチロー選手は会見で、アナウンサーから「苦労しているところを見せたくなかったと。」という問いかけに
それは見せたくないでしょ。そんなん見せたいやつ誰がいる?上原と野村さん以外いる? そんなん。ねっ。だって、それは自分で雑草とかっていう人は見せたい人だから
と答えています。
抑え:中継ぎの過小評価に激怒も、抑えは投手の墓場。先発できれば中継ぎは出来ると発言
上原投手は、田中将大投手が2013年の月のWBCで「中継ぎ降格」と報道されたことに激怒しました。
「降格」という表現が中継ぎの人に失礼という主張ですね。
それでも上原投手の手記では「抑えは投手の墓場」と語っており、本来であれば先発をしたい思いをにじませていました。
先発、抑え、中継ぎは、それぞれ役割が違う。先発していた当時は「抑えは投手の墓場」だと思っていた。今でもその考えは変わらない。
先発は投手として総合力が高くないとできない。総合力さえ高ければ抑えや中継ぎはできるし、長いイニングを投げるために必要な体の強さやスタミナなんかも若い時の方がいい。
別に抑えを軽くみているわけじゃないが、ジャイアンツの若手には「若いうちは先発できるように頑張らないと」と話している。
日刊スポーツ「巨人上原「記録なければ野球やめていたかも」/復刻」
これらのことから、「上原投手は矛盾しているのでは?」思う方もいるかもしれません。
ただ、僕は矛盾していないと思います。上原投手の真意としては以下のようなものではないかと推測します。
あくまで推測ですの大目にみてください
代打:松井秀喜とのメジャー初対戦で初球フォーク、空振りした松井「こいつの性格を見た」
メジャーリーグで巨人で同僚だった松井秀喜選手と初対戦のお話です。
お互いに巨人でスーパースターだった2人の対戦ですから、日米のファンが共にワクワクしたはずです。
そんな二人の対戦ですが、なんと初球は「ストレート」ではなく「フォーク」でした。
「ストレート」を待っていた松井秀喜選手はもちろん空振り。
このことを松井秀喜選手は引退後
こいつの性格をみた
と語っています。
ベンチ:息子カズくんの伝説のインタビュー
上原投手の息子カズくんのインタビューが大好きです。
カズくんは米メディアからインタビューを受けることで、「メジャーデビュー」を果たしています。
特にそのうちの2回が最高に面白く、カズくんがかわいいんです。
その2回のインタビューとは、
(1)上原投手がリーグチャンピオンシップリーグでMVPを取った時
(2)上原投手が胴上げ投手になり、ワールドチャンピオンになった時
です。
そのどちらもメジャーリーグの球場でのものです。カズくんは英語でのインタビューに見事に答えています。
まずリーグチャンピオンシップでMVPをとった時です。上原投手と共に壇上に上がったカズくんは、インタビュアーの質問にキレ味鋭い答えを返しています。
イン「パパが投げている時はどんな気持ちだった?」
カズ「Excited!(興奮したよ!)」
そして、ワールドシリーズで優勝した時もユーモアたっぷりで答えています。
イン「パパはどうだった?」
カズ「Good!(良かったよ)」
イン「どんな風にお祝いしようか?」
カズ「Crazy!?(クレイジーにでしょ!?)」
普通は物怖じしてしまうものですが、カズくんは堂々と答えています。
しかも短いワードで会場を爆笑に誘うなど、大物感をすでに漂わせています。
ファン:髭を生やしてルパン三世みたいになる
メジャーではなかなか名前を覚えてもらえなかった上原投手は、日本では生やしていなかったヒゲを生やし始めます。
これはレッドソックスに移籍する前のレンジャーズ時代などがそうです。
実際にある番組でルパンのコスプレをして出演しています。
ルパンに似ているかと言えば何とも言えない感じでしたが、ヒゲ自体は似合っているように思いました。
その一方で、レッドソックスに移籍してからはヒゲをバッサリ切っています。レッドソックスのまわりのチームメイトにはヒゲの人が多かったそうですから、ヒゲをそることで逆に目立つ存在になったそうです。
常に逆を行く、上原投手の性格が表れているようなエピソードです。
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