2015年に行われた第27回WBSC U-18ベースボールワールドカップの決勝では、日本が米国に1-2で敗れた。米国は今大会で3連覇だという。
メディアはこれを「惜敗」と報じ、オコエ選手や上野選手など、今大会で活躍した選手を振り返るもの内容が多かった。メディアを含め、今大会を見守った人は、「準優勝だけどよくやった!」という感情を抱いたのではないだろうか。
もちろん、彼らは全力でプレーし、リーグ戦からは8連勝するという素晴らしい活躍をした。
しかし、結果は結果である。決勝で敗れ、準優勝になった。
確かに準優勝はすごいことかもしれないが、頂点に立てなかったのは事実だ。
決勝で負けるのも一回戦で負けるのも同じこと!?
昔に「一位じゃなきゃダメなんですか」という政治家がいたが、一位と二位の差にはとてつもない差がある。
一位と二位の差は、二位とビリよりも大きいのだ。
これは高校野球の夏の地方大会を例にとると分かりやすい。地方大会でどれだけ勝ち上がったとしても、決勝戦で勝てなければ甲子園には行けない。一回戦で負けようが決勝戦で負けようが、優勝できなければ意味がないのだ。
実際に智弁和歌山野球部の高嶋仁監督は、
決勝で負けるのも一回戦で負けるのも、甲子園に行けないという意味では同じ
という趣旨の発言をしている。
高嶋監督は、一位と二位にはとてつもなく大きな差があることを知っているのた。
一位と二位を分ける「何か」
もちろん、一位でないチームをけなすつもりもない。むしろ、高校球児が甲子園を目指して全力する姿には感動を覚える。
しかし、勝負の世界ではこの事実を受け入れなければならないのだ。
U-18チームは今大会で大健闘した。
だが、優勝できずに準優勝に終わった。これを惜しいと思うのもいいかもしれないが、一位と二位の差が大きいということを再認識するべきだろう。
この一位と二位の差を埋める「何か」はいろいろと考えられるだろう。
勝負強さを持つことや、米国のような超身長の投手を打つこと、そして徹底してミスをしないことといった様々な要因が考えられる。どれも重要だろうし、次の大会のチームメンバーにあった課題も出てくるではずだ。
どれ一つであって、無下にしていいものはない。優勝することができれば、それまでにした練習が良かったということになる。
もちろん逆もしかりである。ようは結果論なのだ。結果論であるからこそ、その時のベストな選択をしてやっていくしかない。
その際には、一位と二位の差を分けるものは何かを考えながら、日々の練習に励むことが大事になってくるだろう。
この差は素人の目には分からないかもしれないが、闘っている選手や監督達は必ず感じているはずである。
その差を超えて、次回大会は優勝してもらいたい。
追記 2018/12/9
WBSC U-18 ベースボールワールドカップの次大会である2017年の第28回大会では、日本は第三位になった。
なお、アメリカは今大会でも優勝し、4連覇を達成した。
マインド・メンタル以外の要因もあると思うが、2年ではそう簡単に変わらないということなのだろうか。