ダルビッシュ選手のライバルであるトレバー・バウアー選手(元レッズ)が、ドジャースと3年総額1億200万ドル(約107億)の大型契約をしました。
単年でみると、2021年が4000万ドル(約42億円)、22年が4500万ドル(約47億2500万円)となり、メジャー史上最高額です(2021/2/6現在)。
【参考 2021/2/14修正】最高額はバウアー選手ではなくヤンキースのコール選手
契約内容の詳細が明らかになりました。
1億200万ドル(約107億)には1000万ドル(約10億5000万円)の契約金が含まれていたため、単年でのメジャー最高年俸ではなかったようです。
バウアーの年俸 | コールの年俸 | |
2021 | 2800万ドル(約29億4000万円) | 3600万ドル(約37億8000万円) |
2022 | 3200万ドル(約33億6000万円) | 3600万ドル(約37億8000万円) |
2023 | 3200万ドル(約33億6000万円) | 3600万ドル(約37億8000万円) |
バウアー選手の最高年俸は2022,2023年の3200万ドル(約33億6000万)で、ヤンキースのゲリット・コール選手の3600万(約37億8000万円)よりも低い額です。
つまり、メジャー最高年俸はコール選手のままだっということです。コール選手は、2019年オフに9年総額3億2400万ドル(約352億3300万円)でヤンキースと契約しています。
出典:デイリー『ドジャーズのバウアー、史上最高年俸じゃなかった 3年107億円契約の詳細明らかに』
バウアー選手の年俸は史上最高額ではなかったようですが、高額であることに変わりないです。
もう次元が違いすぎてよく分からないです。
2020年のバウアー選手といえば、レッズの秋山翔吾選手と同僚で、ダルビッシュ投手とサイ・ヤング賞を争いをしたことで有名です。
実際に、バウアー選手がダルビッシュ選手を抑えて「サイヤング賞を受賞」しました。まさに超一流の投手です。
試合 | 勝敗 | 防御率 | 奪三振 | WHIP | |
---|---|---|---|---|---|
バウアー | 11 | 5勝4敗 | 1.73 | 100 | 0.80 |
ダルビッシュ | 13 | 8勝4敗 | 2.01 | 93 | 0.96 |
そんなバウアー選手の魅力は、その圧倒的な投球術です。ストレートと変化球のコンビネーションで、相手打者を翻弄して打ち取ります。だからこそ、ドジャースと最高額の契約ができました。
でも、バウアー選手の魅力はそれだけではありません。
- ビックリするような奇行
- 地道に科学的に分析する研究熱心さ
- ダルビッシュ投手とライバルであり、お互いをリスペクト
- 親日家で日本投手や日本野球に愛着を持つ
などたくさんあります。
そこでこの記事では、バウアー選手の魅力を7つにまとめました。
この記事を読むことで、バウアー選手が「すごい投手」ということだけではなく、「すごい魅力のある人」だということが分かります。
個人的には、奇行に走るほどの感情的な面と、コツコツと投手を分析して投球に活かす冷静さの両面があるところに惹かれます!
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魅力1. バウアーの成績が圧倒的!サイ・ヤング賞も受賞
1つ目の魅力は、なんといってもその圧倒的な成績と投球です。
2020年には投手最高のタイトルであるサイ・ヤング賞も獲得しています。
つまり、実力が超一流ということです。
2020年はサイ・ヤング賞を受賞!ダルビッシュ投手に勝つ
バウアー投手は2020年サイヤング賞を受賞しています。
試合 | 勝敗 | 防御率 | 奪三振 | WHIP | |
---|---|---|---|---|---|
バウアー | 11 | 5勝4敗 | 1.73 | 100 | 0.80 |
ダルビッシュ | 13 | 8勝4敗 | 2.01 | 93 | 0.96 |
サイヤング賞を決める投票では、1位がバウアー投手、2位がカブス(現パドレス)のダルビッシュ投手でした。
ダルビッシュ投手は8勝で最多勝をとりましたが、バウアー投手の最優秀防御率1.73と、WHIP0.80も素晴らしい成績です。
*WHIP:投球回あたりの与四球・被安打数合計のこと。1回に平均で何人の走者を出したかを示す値。値が低いほど良い。
トレバー・バウアーの特徴
バウアー投手の特徴は、少しカクカクとしたフォームから、ストレートと変化球のコンビネーションで打者を打ち取ることです。
足をゆったりと上げてから急に降ろすので、打者もタイミングが取りづらいのかもしれません。
また、アウトコースのストレートと変化球のコントロールが抜群です。
オーバースローから速球は91~96mph(約146.5~154.5km/h)で動きを伴う。変化球ではカーブの評価が特に高いが、優れたチェンジアップ、今後の伸び代があるスプリッター、スライダーも持ち合わせており、奪三振率が非常に高い。
出典:Wikepedia
バウアーのメジャーの成績遷移
バウアー投手は2019年まで5年連続で2桁勝利を継続し、安定的に投球回と勝ち星を重ねてくれます。
2020年はコロナウイルスの影響で短縮シーズンでしたが、サイ・ヤング賞を獲得する大活躍でした。
シーズン | 試合 | 勝敗 | 防御率 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|
2015 | 31 | 11勝12敗 | 4.55 | 170 | 1.31 |
2016 | 35 | 12勝8敗 | 4.26 | 168 | 1.31 |
2017 | 32 | 17勝9敗 | 4.19 | 196 | 1.37 |
2018 | 28 | 12勝6敗 | 2.21 | 221 | 1.09 |
2019 | 34 | 11勝13敗 | 4.48 | 253 | 1.25 |
2020 | 11 | 5勝4敗 | 1.73 | 100 | 0.79 |
魅力2. ダルビッシュとバウアーはお互いをリスペクト【ライバル】
一流は一流を知る。この言葉が当てはまるのが、バウアー投手とダルビッシュ投手の2人です。
バウアー投手は、ダルビッシュ投手をとても尊敬しています。ダルビッシュ投手も同様です。
バウアー投手を尊敬しており、お互いに認め合っている存在です。
具体的には、トレーニング方法を教え合い、対戦時には投げ合いを楽しむなど、お互いを高め合っています。
バウアーが語るダルビッシュ
ダルビッシュ投手の凄さについて、バウアー投手は2013年から既に注目していたと語っています。
YouTubeで見た、彼の2013年か2014年の奪三振ビデオは、目を閉じれば、ビジュアルや音楽が頭に浮かんでくるほど、何回も見たよ。本当にすごく良かったからね。
Full-Count「鬼才バウアーがサイ・ヤング賞を争うダルビッシュへの愛を語った「すごく研究した」」
彼のデリバリーやメカニックをすごく研究した。
彼に対しては、様々な面から、本当にリスペクトしている。彼のキャリアをずっとフォローしてきたからね。
以下の動画では、バウアー投手本人が細かくダルビッシュ選手を分析しています。
また、2020年8月30日(日本時間)にダルビッシュ投手と投げ合った時には、こう語っています。
カブス 3-0 レッズ
勝:ダルビッシュ(6回 0失点) 負:バウアー(5回1/3 3失点)
ダルビッシュが投げると知って、(投げ合うのを)とても、楽しみにしていた。ワクワクしていたよ。ユウのことは大好きだからね。彼のことを長い間、研究してきた。見るのがとても楽しい投手だ。
Full-Count「ダルビッシュに投げ負けるも…鬼才バウアーは投げ合い楽しむ「大好きだからね」」
僕らは、武器とか、打者に対しての攻略の仕方などが、とても似ていると思う。だから、彼と投げ合うのを楽しみにしていた。去年は僕が勝った。
今年は彼が勝った。また、今シーズン、対戦するのを楽しみにしている。ラウンド3をどちらが取るかだね。
ダルビッシュが語るバウアー
一方のダルビッシュ選手も、バウアー選手に対して特別な想いを抱いています。
2020年9月10日(日本時間)には、2020シーズン2回目のダルビッシュvsバウアーが実現しました。
カブス 0-3 レッズ
勝:バウアー(7回2/3 0失点) 負:ダルビッシュ(6回 3失点)
その時にダルビッシュ選手がバウアー投手をこう語っています。
投球スタイルとか、日頃やっていることも似通っているし、すごく近いものを感じます。
日刊スポーツ「ダルビッシュ2敗、SNS交流バウワーと投げ合い」
すごく助けてくれてるし、リスペクトしています。同志というより、同じタイプの人間だと思います。
バウアーとダルビッシュの共通点
バウアー選手とダルビッシュ選手の共通点はたくさんあります。
- サイ・ヤング賞を獲るような圧倒的な成績
- 歯に着せぬ発言(自分の意志を曲げない)
- 分析熱心で科学的なトレーニングを好む
- ドジャースに所属(ダルビッシュ選手は2017、バウアー選手は2021~)
- お互いをリスペクト。かつライバル視
- TwitterやYoutubeなどSNSで積極的に発信
まだ他にもあるかもしれませんが、お互いに似ている点があることも、お互いを認め合うポイントなのかもしれません。
魅力3.【奇行】バウアーはヤバいやつと思われても自分を曲げない【鬼才】
バウアー選手は奇行癖があります。言い換えると、変わっている行動をしてしまう変人です。
また、自分を曲げない頑固さがあります。例えば、昔は捕手のサインに従わないことがほとんどだったそうです。その他にも、自身で研究した科学的なトレーニングにこだわりをもっています。
これは言い換えると、自分を曲げない意志の強さがあるということでしょう。
次の項目から、「奇才・バウアー」選手の代表的な奇行を紹介します。
バウアー怒りの大遠投!不甲斐なさからバックスクリーンへボールを投げる
まずは1つ目は、マウンドからセンターバックスクリーンへの大遠投事件です。
これは、バウアー投手がインディアンズ時代の2019年7月の試合。先発したバウアー投手は、5回に8点目を失ってKOされてしまいます。
その時のマウンドで怒りが爆発し、センターバックスクリーンへボールを投げたのです。
これは前代未聞の出来事で、批判もされてしまいます。
とはいえ、自分の不甲斐なさに怒り狂ったということは、「俺はもっとやれる!」という自分に対する期待があるからでしょう。実際に2020年にはサイ・ヤング賞しているので、自分の実力への怒りだったことが伺えます。
試合後、本人は反省して謝罪しています。
チームメート、コーチ、球団、ファンに謝罪します。子供のような、プロらしくない行いでした。あのようなことは許されません。誰にも怪我がなくて良かったです。人を危険な目にあわせたことに気づきました。
full-count バウアー本人談
流血登板事件!ポストシーズン直前にドローンで小指を負傷
次も2016年インディアンズ時代の事件です。
なんと、ポストシーズンの直前でドローンを飛ばして小指をケガし、流血したままブルージェイズ戦のマウンドに上がったのです。
しかも、血をダラダラ流しながら登板となり、結局は1回途中で降板してしまいます。球数はわずか21球でした。その時の映像がこちら↓
見るからに痛々しいですね。
それでも、「何とか試合に出場して勝ちをもたらしたい」という思いは伝わります。ただ、ポストシーズン前のケガはよくないですね。
新しいドローンを設計して組み立てたから、その日にテスト飛行させていたんだ。その最中にドローンが回転しながら落ちた。前にもあったから家で原因を確認しようとしたんだ
Full-Count バウアー談
まるで吉田輝星の侍ポーズ!?バウアーの「一刀両断ポーズ」でまたもお騒がせ
2021年もバウアー投手がやってくれました。
5月22日(日本時間)のジャイアンツ戦で先発したバウアー投手は、三振を奪った後に、打者に向かって刀を振り下ろすポーズをしたのです。
Bauer apparently has a sword with him on the mound pic.twitter.com/MGQhcqH9BG
— SF Giants on NBCS (@NBCSGiants) May 22, 2021
このポーズに賛否の声が挙がっています。
【参考】ピッチングニンジャこと「Rob Friedman」氏のTwitterアンケートでは、意外と好評なもよう
ダルビッシュ選手とも交流のある「Rob Friedman」氏のTwitterのアンケートはこちら↓
How do you feel about Bauer’s Sword celebration?
— Rob Friedman (@PitchingNinja) May 22, 2021
でも、ネタとして投票している人もいるようなので、あくまでも参考にとどめてください。
高校野球のファンの方なら、吉田輝星投手(現・日本ハム)を思い出した方もいるでしょう。
2018年夏の甲子園で大活躍した吉田投手は、ルーティンとして刀を振り上げる「侍ポーズ」をしていました。「シャキーン」ポーズとも呼ばれていましたね。
連日甲子園で繰り広げられる熱い戦いを「熱闘甲子園」のスタッフが嵐「夏疾風」の曲とともにまとめる「感動甲子園」。今日は「すばらしい夏の仲間」です。ぜひご覧ください。https://t.co/8rzvImnrhJ#熱闘 #高校野球 #バーチャル高校野球 pic.twitter.com/C0G9fEAZle
— 熱闘甲子園 (@nettoh_koshien) August 17, 2018
吉田投手の侍ポーズは、打者ではなくセンター方向に向かって刀を振り上げるという違いがあります。
一方で、バウアー投手は打者に向かって刀を振り下ろしているので、「挑発行為」としてとられてもおかしくありません。
実際に吉田投手の行為も注意されていたので、厳しい「不文律」があるとされるメジャーでは、何らかしらの暗黙のルールができるかもしれません。
このように、2021年もバウアー投手は相変わらずメジャー界隈をお騒がせしています。
魅力4. 研究熱心で科学的アプローチを重視【バウアーはUCLA出身のエリート】
バウアー投手はUCLA出身です。
UCLAはカリフォルニア大学ロサンゼルス校のことです。勉強と野球のどちらも名門です。
つまり、学生時代から頭が良く、野球もトップレベルだったということです。
それなのに、おごらずに研究熱心で、様々な投手や打者を分析する努力を怠りません。
科学的なトレーニング【重いプライオボールで球速UP】
バウアー選手は科学的なトレーニングを好みます。2013年からは、シアトルにあるトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」で鍛えていることで有名です。
このことから、「投げる科学者」と呼ばれることもあります。
例えば、通常よりも”重いボール”で鍛えることです。重みのあるプライオボールと呼ばれるボールで鍛えることで、球速アップや良い投球フォームづくりが見込めます。
大谷選手も導入しているボールです。いち早く取り入れたバウアー選手はさすがですね。
日本にいてもAmazon等で買えるみたいですね!一度は触ってみたい!
他の投手にも積極的にアドバイス
他の投手の分析も日々行っています。例えばレッズ時代には、同チームのロレンゼン投手にもアドバイスをしています。
打者研究も怠らない!バウアーがイチローを語る
バウアー選手は「打者」についての研究も細かくおこなっています。
例えば「イチロー選手」についての分析は、愛が感じられるほどです。
魅力5. バウアーは親日家!日本の投手をガチで分析
バウアー選手は、日本人選手や日本のプロ野球に愛着を持つ親日家です。
日本から来る選手は常に尊敬している
と語っています。また、日本の野球番組「ワースポMLB」への出演や、DeNAの施設を突然訪問したりと、言葉だけではないことが分かります。
ダルビッシュ選手の分析した動画を発表するなど、日本の投手をガチで研究して自分の投球に活かしています。
NHKの番組「ワースポMLB」に登場
バウアー選手は、2020年のNHK(BS)の野球番組「ワースポMLB」に、ゲストとして登場しました。番組ではVRで大谷投手のスプリットを体験するなど、大満足だったようです。
以下のツイートは、ワースポMLNキャスターの山本萩子氏とバウアー選手。もう一人は元ロッテの黒木氏です。
DeNAの施設を突然訪問して交流
2019年のオフには、DeNAの二軍施設を突然訪問しました。日本にある「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」という施設をわざわざ訪れ、周囲を驚かせます。
実際にトレーニングを体験し、DeNAの今永投手らと交流しました。
それだけ日本野球や日本のトレーニングに興味があるのでしょう。
日本投手をガチで分析・研究
バウアー選手は日本投手の分析を怠りません。ダルビッシュ選手を中心に、千賀投手のフォームも分析しています。
魅力6. バウアーは感情表現が豊か!つねに吠える!
三振を奪うたびに吠えまくるように、感情表現が豊かなことも魅力です。
特に、サイヤング賞争いをしていた2020年後半シーズンは顕著でした。
例えば、以下のツイートの動画のガッツポーズと雄叫びは最高です。
魅力7. 自分の価値を高めることがうまい【バウアーは商売上手】
バウアー選手はUCLA出身だけあり、賢い選手であることに間違いはありません。
でも、「机上のお勉強」だけ凄いわけではないのです。自分の価値を高める「ビジネス=お金儲け」の才能もあるのです。
FAとなった2020年オフ、バウアー選手は「日本の球団も含めて全メジャー球団を検討する」と発言し、自分を欲しい球団へアピールしたのです。
と。
また、Twitterでもウェルカムな姿勢を示しました。その結果、各球団のバウアー争奪戦に火がつき、メジャー史上最高額の年俸42億円(3年総額約107億)を勝ち得たのです。
このように、バウアー選手は自分の価値を高める才も持っています。
2019年のインタビューでは、メディア会社と広告マーケティング会社の2社を経営していることも語っています。
(出典:Full-Count Youtube「【MLB】現役大リーガー トレバー・バウアーを独占取材!〜Part3〜」)
バウアーの魅力まとめ!成績だけじゃなく人間的におもしろい!
この記事ではバウアー選手の7つの魅力を紹介しました。
総じて言えるのが、「成績」だけではない、人間的な魅力があることです。
怒りや喜びをすぐに表してしまう一方で、投手や打者を科学的に細かく分析するスマートさを持ち合わせています。
さらに、ダルビッシュ選手のように、「自分の意志は曲げないが、誰に対してもリスペクトする」精神があります。
3年総額1億200万ドル(約107億)の大型契約でドジャースへ移籍することになったバウアー選手。今後に活躍に注目です。
2020年の投げ合いも熱かったので、2021年シーズンの投げ合いも楽しみです!
バウアー選手と同じく「変わり者」のプイグ選手の記事もどうぞ。変わり者は愛されますね。
メジャーリーグの視聴に興味がある方はこちらもどうぞ。
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