データで試合は勝てるのか~高校野球におけるデータ活用~

面白い本を読みました。「高校球児に伝えたい! プロだけが知っているデータで試合に勝つ法」という本です。

この本は、高校野球や草野球にて有効な戦術をデータを根拠として解説しています。もちろん、プロ野球ではないアマチュアではそれがそのまま通用するとは限りません。しかし、この本に書いてある内容から使える戦術は多くあるはずです。

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データ野球は高校野球にも台頭か

かつて野村監督がID野球と称して始まったデータ重視の野球は、高校野球にも台頭してきているのではないでしょうか。

甲子園の常連チームは、相手チームを徹底的に研究して試合に望んでいます。もちろん、チーム力がそもそもあるのは間違いありませんが、データを元に戦術を練る力も優れています。

とはいえ、データだけで勝てるわけではありません。そのデータが表す傾向をもとに相手を打ち崩し、相手を抑える技術と気概がないといけないのです。

松井裕樹率いる桐光学園高校を研究し尽くして勝利した2013年夏の横浜高校

例えば、2013年夏の神奈川県大会準決勝が象徴的です。この試合は、現楽天ゴールデンイーグルスの松井佑樹投手率いる桐光学園高校に対して、現プロ野球選手の高浜選手と浅間選手が2年生の主力選手として引っ張る横浜高校が挑んだものです。

前年の2012年の夏の甲子園では、松井投手は得意のスライダーを武器に22奪三振という大会史上最多記録をつくっていました。

それに対抗するために、横浜高校はスライダーの見極め対策や球威対策に取り組み、さらに配球の偏りや投球フォームの崩れ、クイックモーションでの投球を分析して試合に臨んでいたといいます。

その結果、横浜高校さ桐光学園高校に勝利し、決勝でも勝って甲子園出場を果たしたのです。

レベルが高くなるにつれ、傾向を掴む以上にその対策が難しい

何が言いたいのかというと、データで傾向をつかむことも重要ですが、その傾向を知りながらもそれを克服する努力が必要だということです。

傾向が分かっていても、それに対処できなければ意味がありません。

確かに、レベルが高くない場合は「傾向」や「読み」をつかめばうまくいくでしょう。しかし、ある一定以上のレベルになると、「傾向」や「読み」が分かっていても対処できません。

例えば、かつての阪神・藤川投手のストレートや、元ヤンキース・リベラ投手のカットボールは、分かっていても打てないと言われていました。

高校野球においても、ある一定レベルを超えると、傾向を掴むこと以上に対策することが難しくなるのではないでしょうか。

野球はデータ分析を含めた総合力のスポーツ

野球というのは総合力のスポーツであると思います。技術や体力といった身体的なものだけがプレーに影響するのではありません。データから相手の傾向をつかみ、相手の心理を読むといったことも重要になってくるのです。

この本を読んで、データを重要視するだけではなく、それに対して対策する必要性を感じました。

かつての僕も、高校時代はデータや相手の心理を読むことばかり考えており、基礎的な技術の向上を怠っていた時がありました。それだけに頼らなければ、もっといいプレーができたと後悔しています。

現役の選手は、データだけにこだわらずに、日々の技術の向上に努めてもらいたいです。後悔しないように、全力で尽くして欲しいと思います。

逆に、「データや傾向なんて関係ないだろう!」という、「実力があればデータや傾向などいらない」と考える人は、この本「高校球児に伝えたい! プロだけが知っているデータで試合に勝つ法」はいい刺激になるでしょう。

もちろん、すべてを適用できるわけではないと思います。しかし、あなたの野球のプレーに応用していければ、より良い結果に結びつくはずです。

野球選手は、打率や防御率以外にも、試合当日の天候やグラウンドの状況など、取り入れるべきデータが膨大にあります。それらを理して最適な解を導いていくのは容易ではありません。

ですが、データを取り入れ感性を研ぎ澄ませたその先に、「ファインプレー」と呼ばれるプレーや名場面が生まれるのでしょう。

データを活用し、データを超えた選手に出会えることを楽しみに、球春を待とうと思います。

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